サヨナラ田中康夫!

 今回の田中の敗戦は非常に示唆に富むものだった。彼は今後主流となるであろうポピュリストの終わり方の一つを示した。
 田中康夫は同じ作家出身の石原慎太郎とともにもっとも有名なポピュリストだった。確かに左よりか右よりかで差はあるにせよ、一貫した思想をもたず、メディアを騒がせることで民の支持を得てきた。 
 もちろん彼の敗戦をもってメディア政治が終わったと言う気は全くない。ポピュリストにも終わりがあることを言いたいのだ。確かに両者が作家であることからわかるようにかなりの才能がなきゃポピュリストにはなれないだろう。
 民の人気を維持するためには普通の人をサプライズして注目を集め続けなければならない。舞台上のパフォーマンスは常に読者を沸かせようとしてきた作家の方が官僚出身者などより圧倒的に得意だろう。
 しかし逆にいえばその成功は特定集団や政策の方向性ではなく、パフォーマンスそのものに依存してるということ。それがつまんないと思われたら終わりだ。あきられたら終わりなのだ。