安倍晋三 美しい国へ

美しい国へ (文春新書)

美しい国へ (文春新書)

 この人をおいて首相にふさわしい人はいない、そう感じさせる本だった。やっぱ周りの声を汲み取るのがうまいんだな。「開かれた保守」として、コンサバな人をくすぐる内容なのは当然として、意外にもリベラル派への配慮もされていた。みずからと対立する思想を超福祉主義と位置付けて、「小さな国家」路線を進めるとともに一定の福祉の可能性を残している。
 後半ではしきりに「結果の平等」は悪とみなしつつ、「機会の平等」がなくてはならないことを説く。格差はいいが格差の固定はよくないというわけだ。
 まぁ小さな国家路線では結果の不平等はかなりの確率で機会の不平等をもたらすんだけどね。そこで確か(立ち読みなんで;))彼は教育のバウチャー制の導入とかを提唱してたな。要するにクーポンを配って貧乏な子でもちゃんとした教育が受けらるようにする。
 あと、「駄目な教師には辞めていただく」とか書いてあったな。これってちょっと昔のリベラル系論者、宮台真司とかのパクリじゃん(爆)。
 さらに後ろの方には恒例の「再チャレンジ!!」が。
 次回はこの政策のバカらしさと彼のセレブっぷりについて深く掘り下げようと思う。(つつぐ)